8月26日(金)、エステティックTBCとエステ・ユニオンは、「ホワイト求人労働協約」(就活安心労働協約)締結を報告する記者会見を行いました。その様子が以下のメディアに掲載されましたので、まとめました。ぜひ、ご一読ください。
(1)TBC、外部労組と「ホワイト求人労働協約」締結(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ8V4WNRJ8VULFA01C.html
求人する際と実際の労働条件が違う「ブラック求人」をなくそうと、エステティックチェーン大手、TBCグループ(東京)は26日、労働組合のエステ・ユニオンと「ホワイト求人労働協約」を結んだ。エステ業界では求人を巡るトラブルが多発しているという。
締結された労働協約は、求人時に、離職者数や育休の取得者数といった情報を公開▽残業代の計算方法や基本給の額なども明示▽求人情報で示した労働条件を下回る労働契約は結ばない――といった内容。同社は社内の労働組合がなく、外部の労組との締結にいたった。
TBCなどによると、エステ業界は、脱毛サロンの乱立などで人手不足気味。大手でも求人と入社後の給与が違うことがしばしばあると言われている。長南進亮執行委員は「エステ業界を志す若い人が安心して働けるように、業界大手が必要な情報を率先して提供すべきだという結論にいたった」と語った。
(2)<エステ・ユニオン>TBCと労働協約締結 固定残業代明示(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00000106-mai-soci
エステサロンで働く人で作るエステ・ユニオン(三浦かおり共同代表)と業界大手のTBCグループ(東京都新宿区・手塚圭子社長)は、求人の労働条件を明確にするため固定残業代を明示するなどした労働協約を締結した。両者が26日に記者会見し、公表した。求人時と実際の労働条件が異なるケースが多発する中、トラブル防止に向けた異例の協約締結となった。
エステ業界で固定残業代を明示せず、実際より賃金を多く見せる詐欺的求人が横行しているとし、ユニオンが組合員のいる同社と交渉していた。
締結された協約は(1)採用人数、離職人数、育児休業の取得状況などの情報を公開する(2)固定残業代を明示し、ハローワークや民間求人媒体で求人情報を同じにする(3)求人情報以下の条件で労働契約をしない--などとする内容。他社は基本給に「超過手当含む」などと記述されるだけで残業代や残業時間が明示されていないが、同社の新卒求人には、基本給に22~24時間分の一律時間外手当(3万円)が含まれることが明示された。
ユニオン役員の佐藤学さんは「最大手と協約を結べたことは意義がある。他社にも働きかけ詐欺求人をなくしたい」と話した。同社の長南進亮人事総務部長は「エステが安心して働ける仕事であることをアピールしたい」と語った。
労働問題に詳しい佐々木亮弁護士は「労使が共同でブラックな求人を許さないという象徴的な意味がある。労働条件を明示できない会社に人が集まらないという流れにつながる可能性がある」と評価した。【東海林智】
(3)エステTBCと労組が「ホワイト求人」労働協約…「求人詐欺」防止へ条件明示を強化(弁護士ドットコム)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00005039-bengocom-soci
エステティック業界大手のTBCグループ株式会社(本社・東京都新宿区)と、労働組合「エステ・ユニオン」は、8月26日、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、求職者が安心して就職活動ができる環境を整えるため、会社と組合の間で「ホワイト求人労働協約」(就活安心労働協約)を結んだと発表した。
「ホワイト求人労働協約」に基づき、今後は、月平均所定外労働時間や育休取得者数など、若者雇用促進法及び女性活躍推進法が定める全ての情報公開項目を、自社ホームページやハローワーク求人、民間求人サイトで公開することになる。
また、TBCが導入している「固定残業代制度」については、新卒・中途採用ともに求人媒体で公開することで合意した。厚生労働省の指針では、中途採用では固定残業代制度の明示義務はなく、新卒求人では努力義務にとどまっている。
さらに、入社する際になって、求人情報を下回る条件での労働契約が結ばれることを防ぐために、内定時に労働条件通知書を書面で交付する。エステ・ユニオンによると、このような労働協約締結は全国で初めて。
会見に出席したTBCグループ株式会社の長南進亮・執行役員は、「求人情報と入社後の労働条件が異なるということがエステ業界でも多発しているとユニオンから聞き、業界大手である当社が先頭に立って、求職者が企業選択をする上で重要な情報を率先して公開するべきという結論に至り、協約を締結した」と述べた。
また、エステ・ユニオンの佐藤学・執行委員によれば、エステ業界で働く人からは、求人情報と入社後の労働条件が異なる「求人詐欺」やブラック求人のトラブルに関する相談が数多く寄せられているという。
佐藤さんは、「TBCだけがホワイト求人を出しても、業界他社がブラック求人を出していると、そうした企業に求職者が取られて平等な競争ができなくなってしまう」として、「業界他社にも、本協約の締結または、本協約の履行を求める公開質問状の送付を予定している。業界全体からブラック求人をなくす取り組みを強化したい」と呼びかけた。