エステティックTBCとエステ・ユニオンは「勤務間インターバル労働協約」を締結しました!

この度、エステティックTBC(TBCグループ株式会社)とエステ・ユニオンは、エステティック業界における長時間時間の抑制に向けて、業界初の「勤務間インターバル労働協約」を締結しました。
本日、エステティックTBCとエステ・ユニオンは、厚生労働省にて共同記者会見を行い、労働協約の締結とその内容について発表しました。
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◆「勤務間インターバル労働協約」の意義
①社会問題化する長時間労働

今年10月、広告代理店最大手の株式会社電通にて、24歳の新入社員の女性が最長で月に約130時間の時間外労働を強いられ、過労自死をされた事件が報道されました。彼女は、早朝4時まで働きその数時間後には再度出社をしたり、徹夜での業務を強いられていたと言われています。
一連の報道を契機に、長時間労働が改めて日本社会の中で社会問題として認識され、安倍総理大臣や菅官房長官は長時間労働抑制策の必要性を訴え、「過重労働撲滅特別対策班」(通称:かとく)といった労働行政も電通に対して厳しい調査と是正に乗り出しています。今や、長時間労働の抑制、従業員の健康確保、ワークライフバランスの実現は、企業経営にとって最重要課題の1つとなってきています。
特に、エステ業界などのサービス業では、人手不足が深刻化するとともに、顧客の都合に合わせざるを得ない業態から長時間労働を招きやすく、労働時間の抑制は業界全体の問題となっています。
②エステ業界初、休息時間9時間の「勤務間インターバル労働協約」
以上のような経緯を踏まえ、この度、エステティックTBCとエステ・ユニオンは、業界初、9時間の休息時間を義務付けた「勤務間インターバル労働協約」を締結するに至りました。勤務間インターバル制度とは、業務終了から次の業務開始までの間に、強制的に休息時間を設け、労働することを禁止することにより、長時間労働の抑制を図る制度です。欧州では、労働時間抑制への実効性ある施策として、EU加盟国全体で11時間の勤務間インターバル制度が導入されています。
③「労働協約」として結ぶことの意義
今回、会社とエステ・ユニオンは、「労働協約」という形で勤務間インターバル制度を導入しました。労働協約とは、労働組合法に定めている会社と労働組合との間で締結した労働条件に関する合意事項のことで、会社がこの合意事項に反した場合には、労働組合法違反となり、是正を強いられます。
労働協約にはそのような強制力があるため、今回の勤務間インターバル制度の導入は会社の一方的な改善宣言とは異なり、より実効性を担保するものとなっているのが特徴です。
勤務間インターバル労働協約の概要はこちら(PDF)
【本協約のポイント】
勤務間インターバル労働協約資料.png
勤務インターバル労働協約ポイント.pdf
①業務終了から次の業務開始までの間に9時間の休息時間を約束
強制的に9時間の休息時間を設けるとともに、シフト上も9時間の休息時間を事前に確保することを義務化します。
②休息時間が11時間未満となった日が月に11日以上となった場合への対処
欧州の水準である11時間の休息時間確保を目指し、休息時間が11時間未満であった日が11日以上(おおよそ月の約半分の出勤日数)に及んだ場合には、様々な健康配慮措置を取ります。
③9時間の休息時間が雇用契約における始業時間に及ぶ場合、これを勤務したものとみなす
仮に、9時間の休息時間が雇用契約上の始業時間に及んだ場合には、労働をしていなくても賃金を保証します。
④遵守出来ていない場合は組合と協議し改善し、今後は更なる休息時間の延長を目指します
以上が守られていなければ直ちに会社は組合と協議し、改善を行います。また、今後は更なる休息時間の延長を進め、欧州の規制である11時間の休息時間確保を目指します。
私たちは今後も、エステ業界で働く方や働くことを希望する方が、長時間労働の心配がなく安心して働くことができる業界にしていけるよう、具体的な条件整備を労使ともに進めていきます。