◆不誠実な対応を続ける日本エステティック協会
一般社団法人「日本エステティック協会」(https://ajesthe.jp/)は、1972年に設立された、エステティック業界における歴史ある業界団体です。現在、エステ・ユニオンへ協会で働いていた元従業員の方が加入をされ、労働環境改善の団体交渉(話し合い)をしています。
労働基準監督署から協会へは「労働時間を適切に把握していない点」について行政指導が今年の初旬に出されています。協会では、賃金が30分単位の切り捨てで計算されており、法律通りの1分単位の計算がなされていませんでした。しかし、協会は不払い賃金の支払いに応じず、ユニオンへ不誠実な対応を続けていたため、エステ業界を管轄し、協会とも連携をしている経済産業省や、他の業界団体であるエステティック機構、エステティック振興協議会などへ協会がユニオンへ誠実に対応するよう支援の要請へ行きました。
◆経済産業省「行政指導については真摯に対応してほしい」と指摘
エステ業界を管轄し、協会とも連携している経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課にも要請を行ったところ、担当者の方から協会の事務局長へ以下のように指摘をしていただきました。
「協会は、エステ業界の発展、安心・安全を提供する団体にもかかわらず、内部での行政指導はよろしくないので、行政指導に対しては真摯に対応してほしい」
それに対して、協会の事務局長は以下のように回答したとのことでした。
「労働基準監督署からの行政指導については真摯に対応する。また、エステ・ユニオンに対してもしっかり対応する」
エステティック機構やエステティック振興協議会も同様に誠実な対応をするように協会に連絡をするということをおっしゃってくれました。
◆業界団体としての責任を果たすべき
今回、経済産業省や各業界団体へ要請をし、どの組織からも理解を示していただきました。また、協会の事務局長も、経済産業省に対しては、労働基準監督署への指導やユニオンとの交渉へ、真摯に対応するということを約束しているようですので、それを実行してほしいです。
エステ・ユニオンでは、労働時間管理方法の改善や30分切り捨て計算の差額分賃金を請求していますが、協会はそれに応じず現在主張が平行線になってしまっています。今回は、労働基準監督署も労働時間を適切に把握していなかったことについては指導を出しているのですから、非を認めて過去の支払いや今後の改善に真摯に取り組んでほしいです。それが歴史ある業界団体の果たすべき役割ではないでしょうか。
◆ちょっとした疑問からご相談をお寄せください!
みなさんのサロンでも同じような問題はありませんか?少しでも働いていて「おかしいな」と感じるところがありましたら、この機会にご相談や情報提供をいただけましたら幸いです。在職中に改善することはもちろん、在職中から証拠の集め方などを相談しておいて、退職の際や退職後に会社に対して請求することも可能です。ちょっとした疑問から相談をお受けしていますので、ご検討ください。