【追記】エステティックサロンさくら(運営:株式会社ベルフェム)との労使紛争は、2019年12月6日現在、和解により円満解決しています。
現在、エステ・ユニオンに加入したエステティックサロンさくら(運営:株式会社ベルフェム)の元従業員8名が原告となり、会社に対して未払い残業代等を求めて裁判が継続しています。ユニオンとの団体交渉において、労基署からの指導にも関わらず会社が未払い賃金の支払いを拒否したため、昨年提訴に至ったものです。
これまでの経緯や報道については、過去のブログをご覧ください。
会社が自社ホームページに「重要なお知らせ」を掲載
最近、会社のホームページ上に「重要なお知らせ」として、次のような文章が掲載されました。
重要なお知らせ
弊社の労働環境につきまして、一部メディアの一方的な報道により、会員の皆様、関係者の皆様には多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしましたこと、謹んで深くお詫び申し上げます。
元従業員による外部団体への加入と、東京地裁への提訴の件につきまして、弊社について多くの皆様に誤認を与えてしまい、大変戸惑っております。
弊社は、担当制のサロンということもあり、できるだけ長くお仕事を続けていただきたいと考えております。その為、会社の方針や仕事の内容、労働環境などしっかりと理解し、共感して頂くことが、ご入社いただくにあたり、一番重要なことになっております。
面接時や入社後の説明、担当につく前にも面談の時間を設け、改めて説明を行っております。そのため、30年以上このような問題はなく、ほとんどの従業員がやりがいと責任をもってエステティシャンとして従事しておりました。今働いている従業員もその気持ちに変わりはなく、皆様に心からのおもてなしをさせて頂いております。
弊社におきましては、引き続き働きやすい環境を整え、会員の皆様への満足度向上に努めてまいります。
まだ、裁判は続いておりますので、弊社の見解につきましては裁判にて主張してまいります。ご心配をおかけいたしますが、何卒ご理解いただき、ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
(引用終わり)
また、このほか「スタッフの気持ち」として、現職のスタッフのコメントも掲載されており、会社の労働環境の良さをアピールする内容となっています。
率直に言って、この「重要なお知らせ」に対しては違和感を覚えざるをえません。
「一部メディアの一方的な報道」なのか?
会社は上記文章で、「弊社について多くの皆様に誤認を与えてしまい」としていますが、一体何が「誤認」なのでしょうか?
代表取締役である佐々木徹社長は、残業代請求をした組合員たちに対して、「逮捕されても出せない」「会社の法律は俺」などの発言を行いました。組合員が録音したこの発言の音声が多くのメディアで取り上げられましたが、会社はこれまで一度も社長の発言について説明や謝罪を行っていません。会社の労基法違反には労基署からも指導が入っています。
会社は組合との交渉や裁判で、毎月支払われる「職務手当」「奨励手当」などの手当が固定残業代だと主張していますが、組合員たちは面接時にも入社後にも手当が残業代だという説明を受けておらず、求人の募集要項や雇用契約書にもそうした記載はありませんでした。このため、固定残業代は無効であると考えられ、多額の未払い賃金が発生しています。
また、100歩譲って仮に手当が固定残業代として有効であったとしても、手当でカバーされる残業時間を超えた分の残業代は1円も支払われていなかったので、いずれにしても未払い賃金が発生していることになります。
会社の残業代不払いに対しては、品川労基署、渋谷労基署からも労基法違反として是正勧告が出ています。
会社は一刻も早く未払い残業代を支払い、エステティシャンに謝罪をしてください!
社長が「会社の法律は俺」と豪語したこと、会社に労働基準法違反があったことは紛れもない事実です。それらのことに一切触れず、問題はなかったと言い張るのは、それこそ会社側の一方的な主張に他なりません。
会社には、一刻も早く未払い残業代を支払うとともに、エステティシャンに対する数々の不当な権利侵害について謝罪をしてほしいです。私たちは会社が早急な解決に向けて誠実に対応するよう、今後も会社へ求めていきます。ぜひ多くの方の応援をお願いいたします。