「たかの友梨ビューティクリニック」からの回答(2014年9月11日)を受けての当ユニオンの今後の取り組み

私たちエステ・ユニオンは、9月5日、たかの友梨ビューティクリニック(株式会社不二ビューティ)に対して、「労働基準法を遵守すること」などを求める公開要望書を提出しました。この要望に対して、回答期限の9月11日、同社は「仙台労働基準監督署指導への今後取り組み並びに、エステ・ユニオン要望書への回答」を公表しました。私たちは、同社が労働基準法を遵守する決意を表明されたことを高く評価します。
本回答では同社の「労働基準法や公益通報者保護法をはじめとする、法令、社会倫理及び企業規範の遵守並びに適正な労使関係の形成のためにも、全力を尽くして参る決意」が表明され、「労働時間、休憩時間の実態調査」、「外部の労務・法律専門家の協力」による「本件の解決に向けた具体的な取り組みの策定作業」、「再発防止策の取り纏め」などについても明記されています。
本回答で述べられた決意や対策を踏まえて、私たちは同社に対して、以下に述べる問題について具体的な改善を約束するよう、取り組んでいきます。
■労働基準法の遵守に向けた改善点
当ユニオンには、この間、全国各地の店舗で働いている同社従業員(もしくは元従業員)数十名から、公益通報が寄せられています。こうした公益通報の内容を総合すると、残念ながら同社は多数の店舗において、労働基準法に抵触する(もしくは抵触する恐れがある)下記の改善点を抱えています。
①時間外労働・休日労働分が未払いになっている(労働基準法第24条・第37条)
同社の多数の店舗において、朝9時~夜21時頃までの勤務が常態化しています。平均すると月に60~100時間程度の残業が毎月発生しています。それにもかかわらず、同社は能率手当と称して3万円前後(20時間程度分)しか支払っていません。そのため、毎月6~12万円程度の残業代の未払いが発生しています。
②労使協定で定める時間外労働・休日労働の上限を超える残業がある(労働基準法第32条)
同社の多数の店舗において、時間外労働・休日労働に関する協定届で定める残業時間の上限を超える時間外労働・休日労働が行われています。
③休憩が法定通りに付与されない(労働基準法第34条)
同社の多数の店舗において、労働時間が8時間を超える場合でも、1時間を下回る休憩時間しか付与されないということが常態化しています。また、原則外出を禁じられるなど、休憩時間を自由に利用することができていません。
④年次有給休暇を自由に取得できない(労働基準法第39条)
同社の多数の店舗において、年次有給休暇を自由に取得できない状況があります。同社は会社の所定休日を全て休まないと(振替休日を取得しないと)、年次有給休暇を取得できないなどと説明し、その取得を妨げています。
⑤無効な賃金控除協定によって天引きされた賃金が返還されない(労働基準法第24条)
同社は多数の店舗において、賃金控除協定を有効な形で締結してこなかったにもかかわらず、これまで賃金の天引きを度々おこなってきました。また、同社は賃金控除協定が無効であると認めた後も、天引きした賃金を返還しておりません。
なお、同社は9月11日付回答にて、労働基準法違反に関して、実態調査や具体的な取り組み、再発防止策の取りまとめを行うことを明記しています。これらの現時点における経過について、詳細な説明をすることも求められます。
■その他の法令、社会倫理、企業規範の遵守ならびに適正な労使関係の形成に向けた改善点
当ユニオンに寄せられている、全国各地の店舗で働いている同社従業員(もしくは元従業員)からの公益通報を総合すると、同社は多数の店舗において、労働基準法以外にも、その他の法令、社会倫理、企業規範の遵守ならびに適正な労使関係の形成について問題となる、下記の改善点を抱えています。
①産前産後休業・育児休業の取得
同社では、従業員が産前産後休暇の取得に際して「妊娠5ヶ月後から数えて1年以内に、フルタイムの正社員として必ず復帰しなければいけない」と言われて退職を余儀なくされる事例や、産前産後休暇の希望を述べた際に、一旦退職してパートなどで復帰することを勧められたという事例があります。
妊娠中や就学前の子供がいる場合に、休暇を取得しやすくすること、短時間勤務への変更を認めることなどが求められます。
②個人目標と自腹購入
同社では、個人の目標達成がしていない場合や店舗の売り上げが低い場合に、従業員に商品やチケットの自腹購入をさせることが常態化しています。目標の達成状況が悪いと、サービス出勤(休日にタイムカードを打刻せず無給で働くこと)をさせられるケースも相次いでいます。
一定基準の個人目標を達成しない場合に課せられる不利益の軽減・廃止や、店舗目標・個人目標の基準の見直しが必要です。また、目標達成ができない場合に自腹購入をさせないよう、会社として店長を指導することや、自腹購入の実態について会社として調査することなどが求められます。
以上のように、私たちは同社の9月11日付回答を高く評価するとともに、本回答で述べられていた労働基準法の遵守のための改善点、それ以外の法令、社会倫理及び企業規範の遵守、ならびに適正な労使関係の形成のための改善点に対して、具体的な対応が必要だと考えています。私たちはこれらを実現するため、引き続き同社と話し合いを続けていきます。ご支援のほどよろしくお願いいたします。

「たかの友梨ビューティクリニック」からの回答(2014年9月11日)を受けての当ユニオンの今後の取り組み への4件のコメント

  1. 匿名

    休みを取るよう会社から言われても、新人が辞めたり、人手不足のため予約が回らないため休みが取れません。
    結局何も変わってない。

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  2. 匿名

    有休申請が1ヶ月前に申請しないという制度がおかしい

    返信

  3. 匿名

    >有休申請が1ヶ月前に申請しないという制度がおかしい
    通りすがりでこの問題に関してはたかの友梨側のやり方には憤りを感じている者ですが、有給の事前申請に関しては就業規則に明記してあるなら労働基準法上問題ないんですよ。
    「時季変更権」の拡大解釈ってやつですね。

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  4. 元大手労働組合委員長

    有給休暇の事前申請に関しては、当然のことながら事前に申請すべき事項ですが、1ヶ月前と言うのは就業規則に記載があっても無効です。
    原則、有給休暇は事前申請であっても、変形労働制の場合は、前々日までに申請すれば会社側は受理せざるを得ません。
    また、「時季変更権」は明確な理由の下、書面で「なぜ取らせないのか?」、「交代要員の確保をどのように努力したのか?」等の記載を行い、有給休暇申請者に対して説明を行う義務があります。
    したがって、就業規則に記載されていても労働基準法の範囲を超えて、規則を制定することは禁止されています。

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