(中央労働基準監督署)
エステサロン「PMK」(https://www.pmk-j.com/)は、設立が1991年、全国約30店舗を経営し、従業員数は約200名の中規模エステサロンです。
現在、PMKで働く在職の労働者と一緒に、労働環境改善を求めて、会社本社で社長と団体交渉を継続しています。また、並行して、残業代等をめぐる裁判も東京高等裁判所で進行中です。
今年6月に、関西の店舗の労働基準法違反について、労働基準監督署(国)から、是正勧告(行政指導)が出ていましたが、この度、新たに、東京の2店舗にも是正勧告が出ました。
今回は、関西の時に出ていた内容に加えて、36協定(店舗にて、従業員の代表を選挙で選んび、店舗内の残業時間の上限を決め、労基署に提出する協定書)が適切に締結されていないままに、残業を従業員へさせていたことが違法と判断されました。
また、実際の労働時間よりも短く打刻させているという「労働時間の偽装」についても、労働基準監督署は原因究明を求めています。
会社には、新たな行政指導を真摯に受け止め、早期に、改善に応じるよう求めます!
◆是正勧告の内容
①労働基準法32条(労働時間)違反
法律では、36協定を結ぶ際に、店舗で管理職以外の従業員の代表を選挙で選び、その人に署名捺印をもらうよう定められていますが、PMKでは、「ディレクター」以上の管理職が形式的に署名捺印をしており、違法な結び方をしていました。有効な36協定がないため、本来は残業をさせてはいけない店舗であったにもかかわらず、違法に残業をさせていたということになります。これは、全社的に行われていることでした。
②労働基準法24条(賃金不払い)違反
会社は、親睦会費(月3000円)を法律に定める労使協定がないままに違法に天引きしていましたので、過去2年間分、労働者へ返金することになりました。法律上は、各サロンごとに従業員の代表を選挙で選ばなければなりませんが、PMKは、各ブロックごとに新入社員の中から選んでいました。
③労働基準法34条(休憩)違反
法律上は、1時間の休憩を自由に取らせないといけませんが、1時間取れていない違法な状況であったことを会社も認めました。
④労働基準法37条(残業代不払い)違反
PMKでは、「調整」という特殊なシステムを行なっており、例えば、残業を2時間した翌日、顧客が少な場合などには、2時間の早退をさせ、月間の残業時間を「調整」していました。そのようなやり方が違法と判断され、割増残業代を払うように命じられました。
⑤労働安全衛生法66条(健康診断)違反
年1回、労働者に対して健康診断を受けさせる義務が、法律上、会社にはありますが、受けさせていませんでした。
◆追加の指導内容
さらに、今回、労働基準監督署は、PMKの「労働時間の偽装」について原因究明とその報告を求めました。
具体的には、店舗内の、パソコンのオン・オフの時間(ログ)と、タイムスタンプ(社内の打刻システム)の時間に大きな開きがあるので、その原因を確認して報告するよう求めました。
私たちは、社内で、実際の労働時間よりも短く打刻させられている状況を労働基準監督署へ伝えていましたので、そこについて、突っ込んだ調査がなされ、さらなる改善ができる可能性があります。
表面上の改善ではなく、実際に改善がなされるまで、私たちは継続して取り組んでいきます!
◆組合員のコメント
今回会社に行政指導が出たことにより、私達がしてきたことが着実に実を結んでいると更に感じることが出来ました。
まだまだ法令遵守は100%ではないですが、今回のことで、再度、社員や、PMKに関わってきた人達が、会社は違法なこと・大変なことをしているんだと知って欲しいです。
そして、一緒に労働環境の改善に取り組んでくれる人が一人でも多く増えてくれたらと思います。
国にも違法行為を認定されたのですから、その事実に誠実に向き合い、再度私達との交渉や、裁判の方達とのやりとりの中で、会社の姿勢が変わる事を求めます。
◆同様の問題で悩んでいる方はいませんか?
現在、私たちは、PMKと労働環境改善に向けた交渉をし、以下のブログ記事にあるような改善も勝ち取っています!PMKはもちろん、エステ業界で働き、PMKの労働環境と同様の状況で悩んでいる方はいませんか?少しでも働いていて「おかしいな」と感じるところがありましたら、ご相談や情報提供をいただけましたら幸いです。在職中に改善することはもちろん、在職中から証拠の集め方などを相談しておいて、退職の際や退職後に会社に対して請求することも可能です。ちょっとした疑問から相談をお受けしていますので、ご検討ください。