私たちエステユニオンには、エステの仕事をしている方からの相談が多く来ますが、最近多いのは、「腰痛」や「腱鞘炎(けんしょうえん)」を我慢して働いている方や、それを理由に会社を辞めてしまった方からの相談です。
(1)私たちに寄せられる相談事例
例えば以下のような相談が私たちに寄せられています。
①長時間の施術を繰り返していたところ、腰に激痛が走り、一時動くこともできないくらいの状態になりました。店長に相談をしても、「普段の体調管理ができていないあなたのせいだから自分で治療をするように」と言われました。自分で治療するにもお金も時間も余裕がありません。どうしたらいいでしょうか。
②働き始めて3ヶ月ですが、まだ仕事のコツが覚えられておらず施術後に手首に痛みが出てきています。日に日に痛みがひどくなっていて、このまま続けるのが不安です。
(2)労働災害とは?
仕事が原因(もしくは通勤中に)で病気やケガになった場合は、国が定める「労働災害」に認定される可能性があり、認定されると以下のようなメリットがあります。
①治療費が無料になったり、これまで自分で払ってしまった治療費が返ってきたりします。
②怪我や病気が原因で会社を休んだ期間につき、それまでの給料の8割が補償されます。
③労働災害が認定された場合、会社を休んでも、解雇されないように法律で守られます。
※退職していても一定の期間ならば、過去の労働災害について申請することが可能です
※会社が労働災害の申請に協力しなくても、申請は自分でできます
(3)労働災害の申請方法は?
労働災害の申請をどう進めたらいいのか不安な方も多いと思いますが、手続きは難しいものではありませんし、申請自体は無料です。
①専門の相談機関に相談をしましょう
→エステユニオンに一度相談ください!
②怪我や病気になった時の状況がわかる証拠を集めましょう
→医者の診断書や怪我をした時の状況がわかるメモ等を集めます
③働いている場所を管轄する労働基準監督署に申請に行きましょう
→証拠を整理して労働災害の申請書類に加え、申請をします
④結果が出るまで待ちます
→仮に労働災害の認定がおりなくても、再度申し立てをすることもできます
(4)労働災害が認定される意味
仕事が原因となって病気や怪我をした、在職者の方・退職者の方にとって、治療費や生活費の面で負担が軽減されます。労働災害を申請することは、怪我や病気を発生させる会社の労働環境を改善する機会にもなります。
①治療費や生活費が補償される
②在職中の方は解雇されないで治療に専念できる
③会社にとっても労災が起きないような労働環境を作るきっかけになる
(5)労働災害の申請と並行して、すぐに使える制度
労働災害申請には証拠の整理などの準備が必要です。その前に一旦会社を休んで治療を行なったり、療養したりすることも1つです。その間に労働災害申請の準備を相談機関と一緒に進める方もいます。
①休職制度
→怪我や病気の診断が出ている場合は、会社に休職を求めることが可能です。
④傷病手当金
→国の健康保険制度に「傷病手当金」というものがあり、4日以上続けて休んだ人には、これまでの賃金の約6割が補償されます。
(6)在職者・退職者それぞれの対処法のまとめ
在職者と退職者の方で少しパターンが違いますが、まずは私たちへご相談いただき、申請手続きに向けて、一緒に準備をしていけたらと思います。
①在職者の方
→相談
→休職をすると同時に、傷病手当を受給する
→証拠を整理して労災申請
→復職or退職or転職
②退職者の方
→相談
→証拠資料の整理
→労働災害の申請