私たちエステ・ユニオンは、たかの友梨ビューティクリニック(株式会社不二ビューティ)に対して団体交渉や公開要望書の提出を行い、労働環境の改善を求めてきました。このことについては、メディアや当ブログを通じてご存知の方も多いかと思われます。
ですが、私たちの目標は、一社だけの労働環境の改善ではありません。「エステ・ユニオン」の名のとおり、エステ業界で働くすべての方からの相談を受け付け、その労働環境の改善に取り組むことで、業界全体として働きやすい職場が増えるよう活動しています。この間も様々なエステサロンで働く方からの相談がありました。そこから見えてきたのは、たかの友梨ビューティクリニックと同様な労働環境のサロンが、エステ業界には数多くあるということです。いくつかご紹介したいと思います。
相談された方の多くが、長時間労働で苦労されています。深夜に帰宅するのが当たり前、休憩すら十分に取れないという方もいます。残業代が当然発生しているはずですが、一部しか、あるいは全く支払われていません。長時間労働や残業代未払いは、これまでも様々な企業や業界で問題とされてきましたが、エステ業界でも同様の問題があると言えます。
一方で、エステ業界特有の問題も存在しています。そのひとつが、化粧品や美容器具の販売に過重なノルマが設定されている問題です。ノルマを「達成」するために自腹購入を余儀なくされ、人によっては数万~数十万円もの負担を強いられています。また、エステティシャンにとっては技術の習得も重要な仕事の一つですが、そのための練習が「自主練習」などと呼ばれ、無給で行われている実態もあります。「自主練習」は休日や通常業務の終了後に行われるため、自然と長時間労働につながってしまいます。
マタニティ・ハラスメント(マタハラ)の問題も深刻です。産休・育休の取得を申請すると、上司から叱責を受けたり、フルタイムでの復帰などを条件として提示されたりします。エステ業界は女性が大きな割合を占めていますが、子どもを産み育てながら働き続ける環境はまだ十分に整っていません。
これらの問題は、たかの友梨ビューティクリニックだけでなく、数多くの会社が抱えている問題であり、エステ業界全体の問題といえます。私たちエステ・ユニオンは、エステ業界で働く方からの相談をひろく受け付けております。エステ業界全体の労働環境の改善に取り組んでいきますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。